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高まりにより主要食糧の自給重視政策が採用されるのだが、アジアには可耕地はほとんど残っていない。第2に経済成長により牧草地と森林が農地になるよりもむしろ住宅や道路や工場用地に(農地自身も)転用される。第3に経済成長に伴う途上国での牧草、牧草に依存する畜産物および森林生産物への需要の増加。第4に森林や牧草地の非経済的価値(自然環境美、土壌浸食の防止、水文環境安定化、遺伝資源など)の喪失にたいする反対。第5に南アメリカやアフリカの可耕地を耕地化するための過大な公共投資費用などである。7)経済成長に伴う農地の非農業用転用は日本の農地法制度のような農地を確保する制度が存在しない、かつ経済成長の早いアジアでは、特に速く起こる。世界の成長センター・アジアの中国、タイ、ジャワなどで、優良農地が工場、住宅、道路、投機需要などへ急速に転用されてきた。筆者の過去20年ほどの観察によれば、タイのバンコクをとりまく100万ヘクタールほどのメナム・チャオプラヤ・デルタの優良稲作地は急速に転用され、また耕作放棄されてきた。人口爆発と経済成長は21世紀にかけて継続するから、世界での耕地および耕作面積の長期的希少性は増大しよう。
土壌劣化は世界で進行している。ある研究によれば地球上の130億ヘクタールの土地の内15%(20億ヘクタール)の土壌が劣化の影響を受けている。8)このうち16%(3億ヘクタール)が特に劣化しているとする。筆者が行った半乾燥地のタイ東北部に散在する農家30戸ほどに対する93−94年の面接調査ではどの農家も例外なくコメとキャッサヴァの単収の過去20年ほどの期間の低下とその要因として土壌の肥沃度の低下を上げていた。
世界の潅がい面積の増加率は60年代から70年代には年2%強あったが80年代には1%強に減少している。9)78年から人口1人当たりの潅がい面積は、それまでの増加傾向から反転して減少し始め、91年までに6%減少した。FAOによれば60年代半ばから80年代半ばまでの食糧生産の増加の半分以上が潅がい面積の増加によるから、これら潅がい面積の傾向は食糧供給の増加にとって大問題である。この傾向は経済的、管理的そして環境的原因による。10)経済的要因は第1には第2次世界大戦以降の実質国際穀物価格の低下であり、第2には大規模地表潅がいシステムの建設コストの過去数十年間の上昇である。11)第2の要因との関わりではサヘールのダンボスやインドのチュー

 

 

 

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